最終更新日:2026年6月4日
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「経費はちゃんと計上してるのに、なぜこんなに税金が高いんだろう」
青色申告会の相談窓口でこう言うお客様に共通しているのは、経費以外の節税手段をほぼ使っていないという点です。フリーランスが使える節税手段は経費計上だけではありません。制度を知って動くだけで、年間数十万円の差が出ることもあります。
この記事では、2026年時点で使える節税手段を9種類まとめました。各手段の詳細は専用記事にリンクしています。まず全体を把握して、自分に合う手段を選んでください。
節税の全体マップ|9種類を3タイプに分類
節税を「なんとなくやっている」状態から抜け出すために、まず全体像を把握しましょう。
| タイプ | 手段 | 最大効果(目安) |
|---|---|---|
| 所得控除型 課税所得を直接減らす |
①青色申告特別控除 | 年65万円控除(令和9年分から75万円予定) |
| ②iDeCo | 年90万円控除(2026年12月〜) | |
| ③小規模企業共済 | 年84万円控除 | |
| ④基礎控除の改正恩恵 | 最大+47万円(令和7年分〜) | |
| ⑤経費の正しい計上 | 漏れを防ぐだけで数万円差 | |
| 実質節約型 手出しを減らす・取り戻す |
⑥ふるさと納税 | 実質2,000円で返礼品+控除 |
| ⑦消費税の制度選択 | 年数十万円の差になるケースも | |
| 連動節約型 所得を下げると自動的に下がる |
⑧国保・住民税の節税 | 翌年の保険料・税額に直結 |
| ⑨赤字の純損失繰越 | 赤字を3年間繰り越して税額を圧縮 |
①青色申告特別控除|節税の土台。まずここから
青色申告者であれば、e-Tax(電子申告)での申告で年65万円の特別控除が受けられます。何も難しいことはなく、青色申告をしてe-Taxで提出するだけです。
⚠️ 【令和9年分から75万円に引き上げ予定】
令和8年度税制改正大綱(2025年12月26日閣議決定・法案成立済み)により、令和9年分(2027年1月〜12月の所得)の確定申告から、優良な電子帳簿保存要件を満たす場合に75万円へ引き上げられる予定です。令和7年分(2025年)・令和8年分(2026年)は引き続き65万円が上限です。最新情報は国税庁 No.2072でご確認ください。
すべての節税の計算はこの特別控除後の「事業所得」をベースにします。まだ白色申告の方は、来年分から青色申告に切り替えることを最優先にしてください。
→ 詳しくは青色申告控除が75万円に!2026年改正で何が変わる?
②iDeCo+③小規模企業共済|合わせて年174万円の所得控除
この2つを使いこなせているフリーランスは、まだ少数です。どちらも掛金が全額所得控除になります。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
自営業者・フリーランスは月最大68,000円(年81.6万円)まで掛金が全額控除になります。2026年12月からは月75,000円(年90万円)に上限が拡大(改正確定済み)。運用益も非課税で、60歳以降に受け取ります。60歳まで引き出せないという制約はありますが、節税効果の大きさは群を抜いています。
小規模企業共済
国が運営する「個人事業主のための退職金制度」です。月1,000円〜70,000円(年最大84万円)が全額所得控除になります。iDeCoとの大きな違いは、廃業・緊急時に低利融資として活用できる点。運用リスクもゼロです。
両方フル活用した場合のインパクト
iDeCo(月6.8万)+小規模共済(月7万)= 年間165.6万円の所得控除。所得税率20%の人なら所得税だけで年約33万円の削減、住民税も含めると年40万円以上の節税になります。
→ 2制度の違いを詳しく比較:小規模企業共済とiDeCo|節税効果を徹底比較
④基礎控除の改正恩恵|2026年は自動的に節税額が増えている
令和7年分(2025年所得・2026年申告)から基礎控除が所得に応じて最大95万円に引き上げられました(改正前は一律48万円)。何もしなくても控除額が増える珍しい改正です。所得が655万円以下のフリーランスは全員恩恵を受けています。
⑤経費の正しい計上|見落としがちな項目を確認
「経費は全部計上している」と思っていても、見落としがある方が多いです。在宅ワークの家賃・光熱費の按分、スマートフォン代の業務使用割合、書籍・セミナー代など、意外な費用が経費になります。逆に、プライベートな支出を経費にすると税務調査のリスクになるので注意が必要です。
⑥ふるさと納税|実質2,000円で返礼品と税金控除の両取り
ふるさと納税は、寄付額から2,000円を引いた金額が所得税・住民税から控除される制度です。フリーランスの場合、給与所得者と控除上限額の計算方法が異なります。所得控除(iDeCo・小規模共済など)が多いほど控除上限が下がるため、節税手段を増やした年はふるさと納税の上限を必ず再計算してください。
→ フリーランスのふるさと納税|控除上限の計算方法と確定申告のやり方
⑦消費税の制度選択|免税・簡易課税・本則課税で税額が大きく変わる
インボイス登録の有無によって、消費税の納税義務と金額が変わります。前々年の売上が1,000万円以下かつインボイス未登録なら免税事業者。登録済みの方は簡易課税(業種別みなし仕入率)か本則課税(実際の仕入税額控除)かを選択できます。業種によって有利な選択が異なるため、一度シミュレーションすることを強くすすめます。
⑧国保・住民税の連動節税|所得を下げると翌年の支払いも下がる
見落とされがちですが、国民健康保険料と住民税は前年の所得をベースに計算されます。今年iDeCoや小規模共済で所得を圧縮すると、翌年の国保料・住民税も連動して下がります。節税は「今年の税金を減らす」だけでなく、翌年以降の社会保険料まで下げる効果があります。
⑨赤字の純損失繰越|赤字年でも確定申告すれば3年リカバリーできる
事業が赤字になった年も、青色申告で確定申告をすれば損失を翌年から3年間繰り越せます。翌年以降に黒字が出たとき、繰り越した損失と相殺して税額を減らせます。「赤字だから申告しなくていい」は大きな誤解です。
→ フリーランスが赤字でも確定申告すべき理由|純損失繰越で3年間リカバリー
売上規模別|2026年版・節税の優先順位
「全部やります」が理想ですが、掛金の余裕には限界があります。売上規模別に優先順位を整理しました。
| 売上規模 | まずやること | 余裕があれば |
|---|---|---|
| 〜200万円 | ①青色申告65万円控除 ④基礎控除の改正恩恵(自動) |
②iDeCo(少額から) ⑥ふるさと納税 |
| 200〜500万円 | ①青色申告 ②iDeCo(フル活用) ⑥ふるさと納税 |
③小規模共済 ⑤経費の見直し |
| 500万〜1,000万円 | ①青色申告 ②iDeCo+③小規模共済(両方フル) ⑥ふるさと納税 |
⑦消費税の制度選択 ⑧国保節税の試算 |
| 1,000万円超 | ①〜③全部フル活用 ⑦消費税の制度選択 |
税理士への依頼を検討 → 税理士の費用と相場 |
※経費比率・業種・家族構成によって最適な手段は異なります。あくまで目安としてご参照ください。
まとめ|節税は「知った人が得をする」制度です
- フリーランスの節税手段は9種類ある。経費計上はそのうちの1つにすぎない
- 最大効果はiDeCo+小規模共済の年間165万円超の所得控除
- 令和7年分から基礎控除が最大95万円に拡大。青色申告特別控除は現行65万円・令和9年分から75万円予定
- 所得控除で課税所得を下げると、国保・住民税も翌年から連動して下がる
- 売上規模別の優先順位を参考に、まず1〜2手段から始めることをおすすめします
節税の土台となる申告方式の選び方については、こちらの記事でくわしく解説しています。→青色申告と白色申告の違いもあわせてご覧ください。
帳簿・確定申告をしっかり管理することが、すべての節税の前提です。まだ紙や手入力でやっている方は会計ソフトへの移行を検討してください。
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