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「フリーランスになったけれど、確定申告って何から手をつければいいの?」——独立したばかりの方から、毎年いちばん多く受ける質問です。開業届、青色か白色か、会計ソフト、経費、節税……やることが多すぎて、最初の一歩で立ち止まってしまう。気持ちはよくわかります。
でも、安心してください。確定申告は正しい順番でやれば、ひとつずつ片づく作業です。年間500人以上の申告をお手伝いしてきた経験から言えるのは、つまずく人の多くは「やることの全体像が見えていないだけ」ということ。地図さえあれば、迷わず進めます。
このページは、フリーランスの確定申告を6つのステップに整理した「ロードマップ(地図)」です。今あなたがどのステップにいるかを確認し、必要な手続きへ順番に進んでください。各ステップには詳しい解説記事へのリンクを用意しています。まずは全体の流れをつかみましょう。
確定申告が必要なフリーランスとは?
そもそも自分は確定申告が必要なのか。ここを最初にはっきりさせておきましょう。
フリーランス(個人事業主)は、原則として1年間の所得(売上から経費を引いた金額)が「基礎控除額」を超えると確定申告が必要になります。ここで言う「所得」は、会社員の「年収」とは別物です。売上そのものではなく、売上から必要経費を差し引いた残りが所得である点に注意してください。
従来は「所得48万円を超えたら申告」と説明されてきましたが、税制改正により基礎控除額が引き上げられました。令和7年分(2025年分)以後の基礎控除は、合計所得金額に応じて最低58万円〜最大95万円となっています。所得の少ない方ほど控除額が大きくなる仕組みです。
⚠️ 【ここが変わりました】
基礎控除の引き上げ(令和7年分以後)により、申告要否のラインが従来の48万円から変わっています。所得が58万円を超えたら申告が必要になる可能性が高いと考えておくと安全です。区分ごとの正確な控除額は国税庁「No.1199 基礎控除」でご確認ください。
副業の人との違いも押さえておきましょう。会社員が副業でフリーランス的な仕事をしている場合、本業の給与とは別に「副業所得が20万円を超えると申告が必要」というラインがあります。ただし20万円以下でも申告が必要になるケースがあるため、副業の方は後半の「副業・特殊ケース」を必ず確認してください。
なお、青色申告でも白色申告でも、申告が必要なことに変わりはありません。「白色だから申告しなくていい」は誤解です。違いは記帳の手間と受けられる控除の大きさだけ。では、いよいよステップに入りましょう。
STEP1:開業届を出す(フリーランス確定申告の流れの起点)
開業届を税務署に提出する
最初の一歩は「開業届」の提出です。正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、事業を開始した年の確定申告期限までに税務署へ提出します(国税庁の現行案内による)。
なぜ最初に開業届なのか。青色申告をするには、期限内に青色申告承認申請書を提出する必要があり、開業届とあわせて提出すると手続きが整理しやすいからです。独立して数年経ってから相談に来られ、「青色申告の申請を忘れていて数十万円の控除を取り逃した」という方を何人も見てきました。開業届を出したら、同時に青色申告承認申請書も提出しておくことを強くおすすめします。
開業届を出すと、屋号(事業の名前)が使える・屋号付きの銀行口座が作れる・青色申告の道が開けるといったメリットがあります。提出自体は無料で、書く項目もそれほど多くありません。
👉 書き方・記入例・提出先は 開業届の書き方【記入例・提出先付き】 で詳しく解説しています。
STEP2:青色申告か白色申告かを選ぶ
申告の方式(青色/白色)を決める
次に決めるのが「青色申告」か「白色申告」か。ここで多くの方が迷いますが、結論から言えばこれから本格的に事業を続けるなら青色申告がおすすめです。
青色申告の最大の魅力は青色申告特別控除。複式簿記で記帳し、e-Taxで申告するなどの要件を満たせば、最大65万円を所得から差し引けます。所得が65万円減れば、その分だけ所得税も住民税も軽くなる。これは白色申告にはない大きな節税効果です。ほかにも赤字を3年間繰り越せる、家族への給与を経費にできる(専従者給与)など、青色には実利が詰まっています。
一方、白色申告でいいケースもあります。たとえば事業がごく小規模で利益が少ない・帳簿付けの手間を最小限にしたいといった場合です。ただし現在は白色でも記帳と帳簿保存が義務化されているため、「白色なら帳簿不要」という昔のイメージは通用しません。手間が大きく変わらないなら、控除が大きい青色を選ばない理由はあまりない、というのが現場での実感です。
👉 どちらが自分に合うかは 青色申告と白色申告|損しない選び方2026 で判断できます。
STEP3:会計ソフトを選んで記帳を始める
会計ソフトを導入して日々の記帳をスタート
方式が決まったら、記帳(帳簿付け)を始めます。ここで強くおすすめしたいのが、手書きやエクセルではなく会計ソフトを使うことです。
青色申告の65万円控除には「複式簿記」での記帳が必要ですが、簿記の知識がない方が複式簿記を手書きやエクセルでやろうとすると、まず挫折します。借方・貸方の仕訳でつまずき、確定申告の直前に「数字が合わない」とパニックになる——毎年見てきた光景です。会計ソフトなら、銀行口座やクレジットカードを連携させて取引を自動で取り込み、簿記を意識せずに複式簿記の帳簿が出来上がります。
選び方のポイントは3つ。①操作のわかりやすさ ②銀行・カード連携の使い勝手 ③料金です。代表的な3社の特徴を整理しました。
| ソフト | 向いている人 |
|---|---|
| freee会計 | 簿記の知識ゼロから始めたい人。質問に答える形で申告書まで作れる。 |
| マネーフォワード クラウド | 少し簿記がわかる人・連携できる金融機関の多さを重視する人。 |
| やよいの青色申告オンライン | コストを抑えたい人・サポートの手厚さを求める人。 |
👉 3社の機能・料金を徹底比較した 会計ソフト比較2026|3社を徹底解説 も参考にしてください。記事末尾に各社の無料お試しリンクを用意しています。
STEP4:経費を正しく記録する
事業の支出を「経費」として漏れなく記録する
記帳の中心になるのが経費の記録です。経費を正しく計上できれば、その分だけ所得が下がり、税金が軽くなります。逆に、本来経費にできる支出を見逃すと、払わなくていい税金を払うことになります。
経費の基準はシンプルで、「その支出が事業の売上を得るために必要だったか」。事業用に買ったパソコン、取引先との打ち合わせ代、仕事で使う通信費などは経費になります。一方、純粋なプライベートの食事や趣味の買い物は経費になりません。
判断に迷いやすいのが「家事按分(かじあんぶん)」が必要な支出です。スマホ代・自家用車のガソリン代・自宅兼事務所の家賃や光熱費など、仕事とプライベートの両方で使うものは、事業で使った割合だけを経費にします。たとえば家賃のうち仕事部屋が床面積の3割なら、家賃の3割を経費にする、という考え方です。この按分の根拠を説明できるようにしておくことが、後の税務調査対策にもなります。
📋 【参考判決例】(東京地裁 平成25年10月17日/税務訴訟資料第263号・順号12310)
自宅兼事務所の家賃・光熱費の家事按分について、税務調査で事業使用割合の根拠が不明確として一部経費を否認された事案。裁判所は「業務遂行上の必要性と使用実態を具体的に示せるかどうか」を判断基準とした。
※当時の事案に基づく判決です。現行税制と異なる場合があります。
👉 何が経費になるかは フリーランスの経費一覧【全項目・仕訳付き】 で勘定科目ごとに確認できます。
STEP5:節税手段を使う
控除制度を活用して合法的に税金を減らす
経費だけでなく、「所得控除」を使った節税もフリーランスの大きな武器です。代表的なのが次の3つ。
- iDeCo(個人型確定拠出年金):掛金が全額所得控除に。老後資金を作りながら今の税金を減らせる。
- 小規模企業共済:個人事業主の退職金制度。掛金が全額所得控除になり、廃業時にまとまった共済金を受け取れる。
- ふるさと納税:実質2,000円の負担で各地の返礼品が受け取れ、寄付額が控除対象になる。
これらに共通する注意点は、「12月末までに手続きを済ませないと、その年の節税には使えない」ということ。確定申告は2〜3月ですが、節税の仕込みは前年のうちに終わっていなければなりません。「気づいたら年末が過ぎていた」が、節税で最も多い失敗です。申告の直前になって「もっと税金を減らせなかったのか」と相談に来られても、できることは限られてしまいます。今この記事を読んでいる時点が、仕込みを始める一番いいタイミングです。
👉 使える節税手段の全体像は フリーランスの節税完全ガイド2026 にまとめています。
STEP6:確定申告書を作成・提出する
申告書を作り、期限内に提出する
いよいよ最終ステップ、確定申告書の作成と提出です。STEP3で会計ソフトに日々記帳していれば、ここは驚くほどラクになります。1年分の取引が入力済みなら、会計ソフトが青色申告決算書と確定申告書を自動で作成してくれるからです。手計算で申告書を埋めていた時代を知る身からすると、隔世の感があります。
提出方法は、e-Tax(電子申告)が断然おすすめです。青色申告の65万円控除を受けるには「e-Taxでの申告」または「電子帳簿保存」が要件になっており、紙で提出すると控除額が55万円に下がってしまいます。マイナンバーカードとスマホ(またはICカードリーダー)があれば、自宅から提出まで完結します。確定申告の期間は原則として2月16日〜3月15日ですが、土日祝日の関係でずれる年があります。たとえば令和7年分の所得税申告・納付期限は令和8年3月16日(月)です。期限を1日でも過ぎると控除が減ったり加算税がかかったりするので、早めの準備を心がけてください。
👉 作成から提出までの具体的な手順は フリーランスの確定申告完全ガイド2026 で順を追って解説しています。
副業・特殊ケースの確定申告
ここまでは「本業フリーランス」を前提に説明してきました。最後に、会社員の副業など特殊なケースを補足します。
会社員が副業をしている場合、「副業所得が20万円以下なら確定申告は不要」と聞いたことがあるかもしれません。これは一部正しいのですが、20万円以下でも申告が必要になるケースがある点に注意が必要です。たとえば、医療費控除やふるさと納税で還付を受けたい場合、源泉徴収された報酬を取り戻したい場合などは、20万円以下でも申告したほうが得になる・あるいは申告が必要になります。さらに「所得税は申告不要でも、住民税の申告は別途必要」というケースもあります。
👉 自分が申告すべきか不安な副業の方は 副業20万以下でも確定申告が必要なケース で必ずチェックしてください。
まとめ:迷ったら「STEP順」に戻ろう
フリーランスの確定申告の流れを、もう一度6ステップで振り返ります。今あなたがどこにいるか、印をつけながら確認してみてください。
| STEP | やること | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| 1 | 開業届を出す | 開業届の書き方 |
| 2 | 青色か白色かを選ぶ | 青色と白色の違い |
| 3 | 会計ソフトで記帳を始める | 会計ソフト比較 |
| 4 | 経費を正しく記録する | 経費一覧 |
| 5 | 節税手段を使う | 節税完全ガイド |
| 6 | 申告書を作成・提出する | 確定申告完全ガイド |
やることが多く見えても、ひとつずつ順番に進めれば、確定申告は必ず終わります。途中で迷ったら、このページに戻ってきて「自分は今どのSTEPか」を確認してください。各STEPには専門の詳細記事を用意しているので、深く知りたいところだけ読み進められます。
そして、最初の関門はやはりSTEP3の「会計ソフト選び」です。ここがスムーズに進むかどうかで、確定申告全体のラクさが決まると言っても過言ではありません。
まずは会計ソフトを無料で試してみる
税理士に頼むと年間20〜50万円かかりますが、会計ソフトなら月1,000円台から記帳から確定申告まで完結します。どれも無料お試し期間があるので、実際に操作してから自分に合う1本を選んでください。確定申告サポート歴17年の運営者として、初めての方には会計ソフトの活用を自信を持っておすすめします。
簿記の知識ゼロでもOK。質問に答えるだけで申告書まで作れる、初心者にやさしい設計。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の税務判断については、最新情報を国税庁ウェブサイトで確認のうえ、必要に応じて税理士にご相談ください。

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