フリーランスの赤字を損益通算で節税する方法|繰越控除

経費・節税

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title: フリーランスの赤字を損益通算で節税する方法|繰越控除
meta_description: 赤字になったフリーランス・個人事業主向け。損益通算で給与所得から差し引く方法・青色申告の純損失繰越(3年間)の使い方を元青色申告会職員が解説。確定申告で税金を取り戻そう。

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この記事を書いた人: 元青色申告会職員として17年間、年間500人以上の個人事業主・フリーランスの確定申告を現場で直接サポートしてきました。記帳指導・会計ソフト指導・労働保険事務・損害保険・生命保険業務を担当。

「今年は赤字だった。確定申告なんてしなくていいよね?」

そう思っているフリーランスほど、損している。

青色申告会の窓口で17年間、年間500人以上の個人事業主の申告をサポートしてきた経験からはっきり言わせてもらうと、赤字の年こそ確定申告で”取り戻せる”のに、何もせず黙って損している人が本当に多い

開業初年度で赤字になる人は珍しくない。設備投資・広告費・ソフト代……最初は出ていくお金の方が多い。でも、その赤字は「損益通算」と「純損失の繰越控除」というふたつの武器を使えば、税金を減らす力に変わる。

この記事では、損益通算の仕組みから青色申告の繰越控除まで、具体的な数字と事例で解説する。


① フリーランスが赤字でも確定申告すべき理由

「申告義務がない赤字年」と「申告しない方がいい赤字年」は、まったく別の話だ。

所得がない・赤字であれば所得税の申告義務は原則ない。でも、申告した方が得をするケースが山ほどある。

確定申告で取り戻せること

  • 損益通算:事業の赤字を給与所得や不動産所得と相殺 → 所得税・住民税が下がる
  • 源泉徴収税の還付:報酬から天引きされた源泉所得税が戻ってくる
  • 純損失の繰越控除:翌年以降3年間、赤字を繰り越して来年の税金を減らす(青色申告のみ)

副業フリーランスで会社員でもある人なら、給与所得から源泉徴収された所得税が、損益通算によってまるごと還付されることもある。


② フリーランスの赤字が「武器」になる損益通算の仕組み

赤字を放置するのは、使える武器を手放すのと同じだ。

損益通算とは、同じ年に複数の所得がある場合、一方の損失を他方の利益から差し引く計算のこと。

会社員×副業フリーランスの場合

最もわかりやすいのが、会社員として給与をもらいながら副業をしているケース。

所得の種類 金額
給与所得 400万円
事業所得(副業・フリーランス) △80万円(赤字)
損益通算後の合計所得 320万円

給与所得400万円から事業の赤字80万円を引いた320万円が課税対象になる。所得税率が20%なら、単純計算で16万円の節税になる計算だ。給与から天引きされていた源泉所得税が申告によって還付されることもある。

損益通算できる所得・できない所得

何でも相殺できるわけではない。整理しておこう。

所得の種類 事業赤字との損益通算
給与所得 ✅ できる
不動産所得(土地借入金利子を除く) ✅ できる
株・FXなどの分離課税所得 ❌ できない
雑所得 ❌ できない

株やFXは「分離課税」といって、他の所得とは切り離して計算する。いくら株で損が出ていても、フリーランスの事業黒字と相殺はできない。逆も同様だ。


③ フリーランスの赤字を3年間繰り越す|青色申告の純損失繰越控除

今年の赤字を来年・再来年の黒字にぶつけられるのが、青色申告最大のメリットのひとつだ。

損益通算しても引ききれなかった赤字(純損失)は、翌年以降3年間にわたって繰り越し、黒字の年の所得から差し引くことができる。これを「純損失の繰越控除」という。

具体例で見る繰越控除の効果

事例:開業1年目に100万円の赤字、2年目に200万円の黒字

  • 1年目:事業所得 △100万円(赤字)→ 確定申告で純損失を申告・繰越
  • 2年目:事業所得 200万円(黒字)
  • 繰越控除後の課税所得:200万円 − 100万円 = 100万円

もし繰越控除を使わなければ200万円全額が課税対象だが、1年目の赤字を繰り越すことで課税所得が半分になる。所得税・住民税が大きく下がる。

繰越期間は最長3年。3年以内に黒字化できれば、その年の税負担を丸ごと圧縮できる。

⚠️ 白色申告では純損失の繰越控除は使えない
純損失の繰越控除は青色申告者専用の特典。白色申告では、赤字を翌年に持ち越すことができない。せっかくの赤字が”消えてしまう”のはもったいない。

④ 損益通算・繰越控除を使うための条件|「事業所得」として認められることが鍵

損益通算も繰越控除も、「事業所得」でなければ使えない。ここを知らずに損している人が多い。

フリーランスの収入が「事業所得」か「雑所得」かによって、使える特典がまったく変わる。

区分 損益通算 純損失の繰越 青色申告特別控除
事業所得 ✅ できる ✅ できる(青色) ✅ 最大65万円
雑所得 ❌ できない ❌ できない ❌ なし

2022年通達改正:副業の事業所得認定が厳しくなった

⚠️【注意】2022年(令和4年)の通達改正について
2022年の国税庁通達改正により、副業の収入が300万円以下の場合、原則として「雑所得」として扱われる可能性が生じた。ただし、帳簿書類(収支の記録・領収書など)を保存していれば事業所得として認められる余地がある。副業フリーランスは必ず帳簿管理を徹底しておこう。最新の取り扱いは国税庁ウェブサイトで確認を。

事業所得として認められるための基本条件

  • 継続・反復して事業を行っている実態があること
  • 収支の帳簿・領収書を適切に保存していること
  • 事業として独立した活動であること

損益通算や繰越控除を使いたいなら、開業届を出して青色申告の承認申請をしておくことが大前提。それだけで使える武器がまったく変わる。


⑤ まとめ|赤字フリーランスこそ確定申告で損益通算・繰越控除を活用しよう

この記事のポイントを整理する。

  • 赤字でも確定申告することで、損益通算・繰越控除・源泉税の還付が受けられる
  • 損益通算:事業の赤字を給与所得や不動産所得と相殺し、課税所得を下げる
  • 純損失の繰越控除:青色申告なら赤字を翌年以降3年間持ち越せる(白色は不可)
  • これらを使うには「事業所得」として認められることが必須。帳簿管理がカギ
  • 株・FXなど分離課税の所得とは損益通算できない

赤字の年に何もしないのが一番もったいない。確定申告の手間を惜しんで数十万円の還付や節税メリットを捨てている人を、窓口でたくさん見てきた。今年の赤字を来年の節税に変える手順を、今すぐ確認してほしい。

青色申告の帳簿管理・損益通算の計算は、会計ソフトを使えばほぼ自動でできる。以下の3つが個人事業主・フリーランスに特に使いやすいソフトだ。

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