確定申告書の完成手順|会計ソフト別・売上別ガイド

確定申告の基本

最終更新日:2026年6月4日

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この記事を書いた人: 元青色申告会職員として17年間、年間500人以上の個人事業主・フリーランスの確定申告を現場で直接サポートしてきました。記帳指導・会計ソフト指導・労働保険事務・損害保険・生命保険業務を担当。

「会計ソフトを使っているのに、申告書の最後の完成ステップがよくわからない」

青色申告会の相談窓口でも、この悩みを持つ方は毎年います。freeeやマネーフォワードを導入していても、「申告書に出てくる項目の意味」「どこで確認すればいいか」「提出ボタンを押すまでの流れ」がわからなくて手が止まってしまう。この記事では、その「最後の壁」を一気に解決します。


まず確認:自分の申告パターンはどれ?

申告書の種類は、青色か白色か・課税事業者かどうかで変わります。最初にパターンを把握しておくと、準備の手間が激減します。

パターン 条件 必要な申告書類
A:青色・免税 前々年売上1,000万円以下かつインボイス未登録 確定申告書+青色申告決算書
B:青色・課税(簡易課税) インボイス登録済み・簡易課税を選択 確定申告書+青色申告決算書+消費税申告書
C:青色・課税(本則課税) インボイス登録済み・本則課税 確定申告書+青色申告決算書+消費税申告書+付表
D:白色・免税 青色申告の承認なし・インボイス未登録 確定申告書+収支内訳書

青色申告と白色申告の違いが不明な方は→青色申告と白色申告の違い
消費税の課税・免税の判断は→フリーランスの消費税 免税と課税どっちが得?


申告前に揃える書類・データ一覧

「書類が足りなくて申告書を完成できない」——これが一番多いつまずきです。12月中に以下を確認・保管しておくと、1〜3月の作業がスムーズになります。

全員共通

  • 売上台帳・請求書控え(会計ソフトに入力済みであれば不要)
  • 経費の領収書・レシート(会計ソフト入力済みなら保管のみ)
  • マイナンバーカード(e-Taxで電子提出する場合)
  • 還付先の銀行口座情報
  • 国民年金の控除証明書(10〜11月にハガキで届く)
  • 国民健康保険料の納付額(自治体から通知 or 支払い記録で確認)

控除を使う人は追加で

  • iDeCoの小規模企業共済等掛金払込証明書(10〜11月に郵送)
  • 小規模企業共済の掛金払込証明書(同上)
  • 生命保険・地震保険の控除証明書(10〜11月に各保険会社から郵送)
  • ふるさと納税の寄附金受領証明書(各自治体から随時送付)
  • 医療費の領収書・集計表(医療費控除を申請する場合)

⚠️ iDeCo・小規模共済の証明書は会計ソフトへの手動入力が必要です。銀行連携では取得できません。毎年10〜11月にポストを確認してください。


申告書を完成させる全手順(5ステップ)

会計ソフトを使っている場合、確定申告書の作成は「帳簿の仕上げ」さえ終われば、ほぼ自動で完成します。

Step1:年間の取引入力を完成させる

12月31日時点のすべての売上・経費が入力されているか確認します。銀行・カードの自動連携で未処理の取引がないか、年末にチェックする習慣をつけてください。家賃や光熱費の業務使用割合(按分)も、この段階で入力します。

Step2:控除証明書の情報を入力する

iDeCo・小規模共済・生命保険・国民年金・国保の支払額を手動で入力します。これが抜けると、数万円単位で損をします。各ソフトで「控除」または「所得控除」メニューから入力できます。

Step3:決算処理と青色申告決算書の確認

減価償却資産がある場合は償却費を計上します。棚卸資産がある業種は期末在庫を確認します。ほとんどのフリーランスは減価償却・棚卸の対象が少なく、この工程は数分で終わります。その後、青色申告決算書(売上・経費の集計)の数字を見て、大きな違和感がないか目視確認します。

Step4:確定申告書を自動作成・確認する

会計ソフトの「確定申告書を作成」ボタンを押すと、青色申告決算書の数字を引き継いで申告書が自動生成されます。以下の項目だけ自分の目で確認してください。

  • 第一表の「所得金額」欄:事業所得の金額が正しいか
  • 「所得から差し引かれる金額」欄:入力した控除が全部反映されているか
  • 「課税される所得金額」欄:マイナスになっていないか(なっていれば申告書の完成)
  • 「還付される税金」または「納める税金」欄:金額に違和感がないか

Step5:e-Taxで電子提出する

確認が済んだら、会計ソフト内のe-Tax連携機能で電子送信します。マイナンバーカードをスマートフォンに読み取らせる「スマホ用電子証明書」方式が最も簡単です。送信後に「受付結果」の画面が表示されれば完了です。

freee・マネーフォワード・やよいの操作ポイント

ソフト 申告書作成の操作 e-Tax連携
freee 「確定申告」→「申告書類の作成」で画面の質問に答えながら進む。初心者でも迷いにくい ソフト内からe-Tax送信可。スマホアプリにも対応
マネーフォワード 「確定申告」→「申告書類」から決算書・申告書を確認・修正。口座連携の自動仕訳が多い人に向く Web版のみe-Tax送信可。アプリ単体では不可
やよいの青色申告 「申告・申請」→「確定申告書」から作成。不明点は電話サポートで確認できる e-Tax連携あり。サポート体制が手厚く初回申告者に向く

→ 各ソフトの詳細な機能・料金比較:freee会計の正直レビューマネーフォワードクラウドの正直レビューやよいの青色申告オンラインの正直レビュー


やりがちな間違い3つ

「あとから追徴課税になった」案件のほとんどはこの3パターンです。

間違い①:控除証明書を入力していない

iDeCoや小規模企業共済の証明書は、会計ソフトに手動で入力しないと控除が反映されません。「証明書は届いたけど、ソフトに入れていなかった」という相談を窓口でも毎年受けます。年間数万円の損失になります。

間違い②:家賃・光熱費の按分を忘れる

在宅ワークのフリーランスは、家賃・電気代・通信費のうち業務使用割合分を経費にできます。「プライベートな支出だから」と遠慮して計上しない方が多いですが、合理的な根拠(業務使用時間・面積比率)があれば正当な経費です。

間違い③:消費税の申告を忘れる

インボイス登録をして課税事業者になった方は、所得税の確定申告とは別に消費税の確定申告も必要です(期限は3月31日)。会計ソフトで自動作成されますが、「所得税の申告だけ済ませた」という見落としが起きやすいです。消費税の申告については→フリーランスの消費税 免税と課税どっちが得?


提出スケジュールとe-Tax提出方法

申告期間

  • 所得税の確定申告:翌年2月16日〜3月15日(還付申告のみ1月1日から可)
  • 消費税の確定申告:翌年1月1日〜3月31日(所得税より2週間長い)
  • 住民税:確定申告書を提出すれば自動的に反映。別途申告不要

e-Taxの提出方法

最も簡単なのはスマートフォン+マイナンバーカードの組み合わせです。マイナポータルアプリでカードを読み取り、会計ソフトのe-Tax送信機能から直接提出できます。税務署に行く必要はありません。

マイナンバーカードを持っていない場合は「ID・パスワード方式」が使えますが、事前に税務署で手続きが必要です。まだマイナカードを持っていない方は早めに取得することをおすすめします。

💡 e-Taxのメリット:青色申告特別控除は現行65万円。e-Taxによる電子申告+優良な電子帳簿保存の要件を満たせば65万円が上限ですが、令和9年分(2027年)から75万円に引き上げ予定(令和8年度税制改正・法案成立済み)。書面申告の場合は65万円控除にとどまります。令和7年・8年分は現行の65万円が上限です。

まとめ|申告書は「帳簿の仕上げ」が9割

  • 自分の申告パターン(青色/白色・免税/課税)を最初に把握する
  • iDeCo・小規模共済の控除証明書は10〜11月に届く。ソフトへの手動入力を忘れずに
  • 申告書の作成はソフトが自動化してくれる。確認は「所得金額」「控除の反映」「納税額」の3点だけ
  • 消費税の課税事業者は所得税とは別に消費税の申告(期限3月31日)も必要
  • e-Tax提出でスマホ完結。税務署に行く必要はない

電子申告(e-Tax)に切り替えると65万円控除を受けやすくなります。→e-Taxの始め方【2026年版】もあわせてご覧ください。

会計ソフトを使えば、申告書の作成自体はそれほど難しくありません。難しいのは「年間を通じた帳簿管理」です。日頃から記帳を習慣化しておくと、1〜3月の申告作業が大幅に楽になります。

📊 確定申告書の作成・e-Tax提出まで対応している会計ソフト

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