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「2割特例、まだ使える?」と思っているあなたへ
インボイス登録したとき、こんな言葉を聞いたことはありませんか。
「当面は2割特例があるから、消費税の計算は楽だよ」
朗報です。2026年分(今年)も、2割特例はまだ使えます。
ただし──これが最後の年です。
「今年で終わる」と知らずに2027年を迎えてしまうと、
準備なしで突然、消費税の計算方法が変わってしまいます。
青色申告会で数多くの申告相談を受けてきた経験から言います。
「知らなかった」では済まないのが消費税です。今のうちに正確な情報を確認しておきましょう。
2割特例の「終わり方」を正確に知ろう
適用できるのは「2026年分」が最後
2割特例が適用できる期間は、法律で次のように定められています。
消費税法 附則第51条の2:
令和5年(2023年)10月1日から令和8年(2026年)9月30日までの日を含む各課税期間
個人事業主の課税期間は1月1日〜12月31日。
2026年分の期間(1月1日〜12月31日)は、9月30日を含むため2割特例の対象です。
| 年分 | 2割特例 |
|---|---|
| 2024年分 | ✅ 使える |
| 2025年分 | ✅ 使える |
| 2026年分 | ✅ 使える(最後!) |
| 2027年分 | ❌ 使えない |
「今年で終わり」──この1点だけは、絶対に覚えておいてください。
※ 法人の場合は決算期により異なります。国税庁HPでご確認ください。
2割特例とは何か(おさらい)
売上の消費税額の2割だけを納めればOKとする特例措置です。
具体例:年間売上600万円(税込660万円)のフリーランスの場合
売上の消費税 60万円 × 20% = 納税額12万円
仕入税額控除の計算が不要なため、帳簿管理がシンプルで済むのが最大のメリットです。
2割特例が終わった後はどうなる?
後継措置として「3割特例」が新設される
令和8年度税制改正により、2割特例の後継として個人事業主限定の「3割特例」が創設されます。
| 2割特例 | 3割特例(新設) | |
|---|---|---|
| 対象 | 個人事業主・法人(一部) | 個人事業主のみ |
| 適用期間 | 〜2026年分 | 2027年分・2028年分 |
| 納税額の計算 | 売上消費税の20% | 売上消費税の30% |
| 事前届出 | 不要 | 不要 |
届出なしでそのまま使えるのは大きなメリット。ただし納税額は2割より増えます。
具体例:年間売上600万円(税込660万円)のフリーランスの場合
計算方法 納税額 2割特例(〜2026年分) 60万円 × 20% = 12万円 3割特例(2027・2028年分) 60万円 × 30% = 18万円 簡易課税・第5種(2027年分〜) 60万円 × 50% = 30万円 本則課税(経費が少ない場合) 最大 60万円近く
3割特例は、簡易課税や本則課税よりも有利になるケースが多く、
届出不要なので対象者には非常に使いやすい制度です。
→ 関連記事:【簡易課税とは?届出方法と手続きを完全解説】をご覧ください
2割特例・3割特例の後はどうなる?
3割特例も2028年分で終了します。2029年分以降は以下の3つから選ぶことになります。
選択肢①:簡易課税制度
業種ごとの「みなし仕入率」を使って消費税を計算する方法。
| 業種区分 | 主な職種例 | みなし仕入率 |
|---|---|---|
| 第1種 | 卸売業 | 90% |
| 第2種 | 小売業 | 80% |
| 第5種 | ITエンジニア・デザイナー・ライター等 | 50% |
| 第6種 | 不動産業 | 40% |
IT・クリエイター系フリーランスの多くは第5種(みなし仕入率50%)に該当します。
⚠️ 重要: 2027年分から簡易課税を適用したい場合、
届出期限は2026年12月31日です。今年中に判断が必要です。
選択肢②:本則課税
実際の仕入・経費にかかる消費税を控除して納税する本来の方法。
経費が多い業種では有利になることも。ただし帳簿管理の手間が最も大きくなります。
選択肢③:インボイス登録の取り消し
取引先との関係や業態によっては、インボイス登録を取り消して免税事業者に戻る選択肢もあります。
ただし取引先への影響が大きいため、慎重な判断が必要です。
2割特例を使いながら今から始める準備
今年中(2026年)にやること
「2割特例を最後まで活用しながら、次の準備を進める」が正解です。
こうした計算や帳簿管理を楽にするために、会計ソフトの活用が非常に有効です。
特にインボイス対応・消費税区分の自動仕訳機能が充実しているソフトを選ぶことをおすすめします。
おすすめ会計ソフト比較
| ソフト名 | 特徴 | おすすめの人 |
|---|---|---|
| freee会計 | スマホで操作できる・銀行・カード自動連携が簡単 | 確定申告が初めての方 |
| マネーフォワードクラウド | 金融機関との連携数が業界最多水準 | 取引量が多いフリーランス |
| 弥生会計オンライン | 老舗・サポート体制が充実・税理士連携実績多数 | 安定性重視の個人事業主 |
今日からできる4ステップアクション
Step 1. 2026年分は2割特例で申告する前提で記帳を続ける
(難しい消費税計算は不要。売上と経費の記録だけ確実に)
Step 2. 自分の業種区分を確認する
国税庁「簡易課税制度の事業区分(No.6509)」で職種が何種か調べる
Step 3. 2027年分の消費税計算方法を決める
3割特例(個人のみ・届出不要)か、簡易課税か、本則課税かを検討する
Step 4. 簡易課税を選ぶ場合は2026年12月31日までに届出
「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署またはe-Taxで提出する
職種別・消費税の納税額シミュレーション
「自分の場合、2027年からいくら増えるの?」を数字で確認しておきましょう。
以下はITエンジニア・デザイナー・ライターなど第5種(みなし仕入率50%)に該当するフリーランスのケースです。
年売上500万円(税込550万円)の場合
| 計算方法 | 納税額 | 適用年分 |
|---|---|---|
| 2割特例 | 50万円 × 20% = 10万円 | 〜2026年分 |
| 3割特例(届出不要) | 50万円 × 30% = 15万円 | 2027・2028年分 |
| 簡易課税(第5種) | 50万円 × 50% = 25万円 | 届出あり・2027年分〜 |
年売上1,000万円(税込1,100万円)の場合
| 計算方法 | 納税額 | 適用年分 |
|---|---|---|
| 2割特例 | 100万円 × 20% = 20万円 | 〜2026年分 |
| 3割特例(届出不要) | 100万円 × 30% = 30万円 | 2027・2028年分 |
| 簡易課税(第5種) | 100万円 × 50% = 50万円 | 届出あり・2027年分〜 |
3割特例は届出不要で、簡易課税(第5種)より10〜20万円も節税になります。
2027・2028年分は3割特例が最も使いやすく有利な選択肢です。
ただし、経費(外注費・通信費・機材費など)が売上の50%を超える方は本則課税が有利になる場合もあります。判断に迷う場合は青色申告会や税理士に相談することをおすすめします。
2割特例に関するよくある質問
Q. 2割特例は自動的に適用されますか?
いいえ、確定申告書の「消費税及び地方消費税の確定申告書」で適用を選択する必要があります。ただし、事前の届出は不要です。申告時に2割特例を選んで計算するだけでOKです。
Q. 2割特例を使うと簿記の記録はどうなりますか?
2割特例を使う場合でも、日々の売上・経費の記録は必要です。ただし、仕入税額控除の計算が不要になるため、消費税の経理処理が大幅に簡略化されます。freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトを使えば、自動で区分けしてくれるので安心です。
Q. 2割特例と簡易課税、どちらが得ですか?
2026年分については、ほとんどのケースで2割特例の方が有利です。簡易課税の第5種(IT・デザイナー・ライター等)のみなし仕入率は50%で、納税額は売上消費税の50%。2割特例は売上消費税の20%なので、2割特例の方が納税額が少なくなります。2026年中は2割特例を優先しましょう。
Q. インボイス登録を取り消して免税事業者に戻れますか?
可能です。ただし、取り消しの効力が生じるのは、届出書を提出した翌課税期間からです。また、登録を取り消すと取引先が仕入税額控除を受けられなくなるため、事前に取引先への相談が必要です。慎重に判断してください。
まとめ
- 2割特例は2026年分(今年)が最後。今年はまだ使える
- 後継の3割特例(個人のみ・届出不要)が2027・2028年分に適用される
- 2029年分以降は簡易課税・本則課税・登録取り消しの3択
- 簡易課税を2027年分から使いたい方は2026年12月31日が届出期限
「2割特例がまだある今のうちに、次の準備を始めてください。」
余裕のある今だからこそ、正しい判断ができます。
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※本記事の情報は2026年5月時点のものです。
制度の詳細・最新情報は必ず国税庁ウェブサイトでご確認ください。
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