確定申告で控除漏れしやすい5つの控除

確定申告の基本

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title: 確定申告で控除漏れしやすい5つの控除
meta_description: 毎年申告していても見落としがちな控除を元青色申告会職員が解説。生命保険・地震保険・社会保険・iDeCo・ふるさと納税の控除漏れチェックリスト付き。

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この記事を書いた人: 元青色申告会職員として17年間、年間500人以上の個人事業主・フリーランスの確定申告を現場で直接サポートしてきました。記帳指導・会計ソフト指導・労働保険事務・損害保険・生命保険業務を担当。

「毎年ちゃんと申告してるはずなのに、還付が少ない気がする……」

相談会場でこういう声をよく聞きました。計算ミスでもなく、申告し忘れでもない。「そもそも控除できることを知らなかった」ケースが意外に多いんです。

特に、独立して最初の数年間は「経費さえ落とせばいい」という感覚で申告している方が多く、所得控除の欄をほとんど埋めていないことがある。17年間、相談員として何百枚もの申告書を一緒に見てきましたが、控除の記載漏れで毎年数万円損している方は珍しくありません。

この記事では、フリーランス・個人事業主が見落としやすい5つの控除を、現場で実際に確認してきた視点から解説します。


確定申告の「控除漏れ」とはどういうことか

確定申告の所得控除は、「申告すれば引ける」ものです。つまり、自分で申告書に記載しなければ、一切引いてもらえない。

会社員なら年末調整で会社が処理してくれますが、フリーランスはすべて自分でやらなければならない。これが抜け漏れの温床になります。

控除が1万円増えると、税率が20%の人なら所得税と住民税あわせて約3,000〜4,000円の税額が下がります。5万円の控除漏れなら1万5,000〜2万円の損失です。「たかが数万円」と思うかもしれませんが、これが毎年続くと相当な差になります。


控除漏れ①:生命保険料控除(会社員時代の保険を継続しているケース)

フリーランスになってすぐ意外に忘れるのが、会社員のときから加入していた生命保険や個人年金保険の保険料です。

「会社にいたとき、年末調整で会社が処理してくれていた」という保険がそのまま継続されているケースが多い。独立後は自分で申告しなければならないのに、「なんとなくやってなかった」という方が毎年います。

控除の仕組み(新制度と旧制度)

2012年(平成24年)1月1日以降に締結した保険契約が「新制度」、それ以前が「旧制度」です。

区分 新制度(2012年1月以降の契約) 旧制度(2011年12月以前の契約)
対象 一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料(3区分) 一般生命保険料・個人年金保険料(2区分)
1区分の上限 最大4万円 最大5万円
合計上限 最大12万円 最大10万円

新旧の保険が混在している場合は、計算方法が少し複雑になりますが、会計ソフトの申告書作成機能を使えば自動で計算してくれます。

必要書類:保険会社から10〜11月ごろに郵送される「保険料控除証明書」。紛失した場合は保険会社に再発行を依頼できます。

根拠:国税庁 No.1140 生命保険料控除(所得税法第76条)


控除漏れ②:地震保険料控除(賃貸住まいでも使えるケース)

「地震保険は持ち家の人のものでしょ」と思い込んでいる方が多いですが、これは半分誤解です。

賃貸住宅に住んでいても、家財保険に地震特約を付けていれば、その地震特約分の保険料が控除対象になります。

国税庁の規定では、対象となる資産は「居住用の家屋」だけでなく、「生活に通常必要な家具・じゅう器・衣服などの生活用動産」も含まれます(国税庁 No.1146参照)。

フリーランスの方、とくに20〜30代で賃貸に住んでいる方の多くが家財保険に加入していますが、地震特約の保険料を申告から外しているケースが目立ちます。

控除額

  • 地震保険料の控除:支払保険料の全額(上限5万円)
  • 旧長期損害保険料(経過措置):最大1万5,000円
  • 両方ある場合の合計上限:5万円

確認方法:加入している家財保険の証券や更新案内を確認。「地震」という文字があれば、その特約分が対象です。保険会社から届く「地震保険料控除証明書」を使います。

根拠:国税庁 No.1145 地震保険料控除(所得税法第77条)


控除漏れ③:社会保険料控除(家族の保険料を自分が払っているケース)

これが現場でいちばん多い漏れでした。

「家族の国民健康保険料や国民年金を自分が払っているのに、自分の分しか書いていない」というケースです。

社会保険料控除は、本人が支払った分だけでなく、生計を一にする配偶者や子どもの保険料を本人が負担した場合も、全額を控除できます。

よくある見落としパターン

  • 配偶者(専業主婦・主夫)が国民健康保険に加入していて、保険料を本人が払っている
  • 大学生の子が国民年金に加入していて、親が保険料を代わりに払っている
  • 独立したばかりで、国民年金の「付加保険料」(月400円)を申告し忘れている

ただし注意点があります。家族が受け取っている年金や給与から特別徴収(天引き)されている保険料は、本人の控除の対象になりません。あくまで本人が実際に支払った分だけです。

確認方法:市区町村から届く国民健康保険料の納付書・納付確認書、日本年金機構から届く「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」。家族分の保険を自分の口座から払っていれば対象です。

根拠:国税庁 No.1130 社会保険料控除(所得税法第74条)


控除漏れ④:小規模企業共済等掛金控除(iDeCoと小規模企業共済)

iDeCoに加入している方の中に、「iDeCoは老後のための積立でしょ。申告に関係あるの?」と思っている方がいます。関係大ありです。

iDeCoの掛金は、支払った全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得から引けます。上限なし、全額控除です。

フリーランスのiDeCoの掛金上限は月6万8,000円(年間81万6,000円)。税率20%の方なら、満額拠出で年間16万円以上の節税効果になります。

対象となるもの

  • iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金:全額控除
  • 小規模企業共済の掛金:全額控除(掛金月額1,000〜7万円)
  • 企業型確定拠出年金(マッチング拠出分)

必要書類:iDeCoは国民年金基金連合会から、小規模企業共済は中小機構から、それぞれ「掛金払込証明書」が郵送されます。マイナポータルと連携している会計ソフトを使っている場合は電子データで取得できることもあります。

iDeCoと小規模企業共済の違いについては 小規模企業共済とiDeCoの徹底比較 もあわせて参考にしてください。

根拠:国税庁 No.1135 小規模企業共済等掛金控除(所得税法第75条)


控除漏れ⑤:寄附金控除(ふるさと納税でワンストップを使った年の落とし穴)

ふるさと納税は、多くの人が「ワンストップ特例」を使って申告不要にしているかと思います。ここに落とし穴があります。

ワンストップ特例を申請した後でも確定申告をした場合、ワンストップ特例は自動的に無効になります。

その場合、ふるさと納税の寄附金控除を確定申告書に記載しなければ、控除がゼロになってしまいます。

具体的にどういうケースで起きるか

  • ふるさと納税でワンストップ申請した後、事業の都合で確定申告が必要になった
  • 申告書にふるさと納税の記載を忘れた
  • 「ワンストップと確定申告は別々に処理してくれる」と思っていた

これは確定申告が必要なフリーランス全員に関係する話です。確定申告をする限り、ふるさと納税は必ず寄附金控除として申告書に記載する必要があります。ワンストップに頼ってはいけません。

その他の寄附金控除

ふるさと納税以外にも、以下への寄附が対象になります。

  • 認定NPO法人への寄附
  • 政治活動に関する寄附
  • 公益社団法人・公益財団法人への寄附

必要書類:各自治体から届く「寄附金受領証明書」(ふるさと納税)。複数の自治体に寄附した場合は、すべての証明書が必要です。

ふるさと納税と確定申告の詳しい手順は フリーランスのふるさと納税|控除上限の計算方法と確定申告のやり方 で詳しく解説しています。

根拠:国税庁 No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)


会計ソフトで控除漏れを防ぐ方法

控除漏れの原因の多くは「書類がどこかにあるのに入力し忘れた」です。これを防ぐのに会計ソフトの申告書作成機能が有効です。

マイナポータル連携で自動取得できる控除証明書

2024年分の申告から、マイナポータルと連携した会計ソフトを使うと、以下の控除証明書データを自動で取得できるようになっています(対応状況は保険会社・機関によって異なります)。

  • 生命保険料控除証明書
  • 地震保険料控除証明書
  • 国民年金保険料控除証明書
  • iDeCoの掛金払込証明書

紙の証明書を自分でまとめて入力する手間が省け、入力ミスや漏れのリスクも下がります。

各ソフトの対応状況

ソフト マイナポータル連携 控除入力ガイド
freee 対応 申告書作成ウィザードで順番に入力
マネーフォワードクラウド 対応 確定申告書作成画面でカテゴリ別に入力
やよいの青色申告オンライン 対応 確定申告書作成ナビでガイド付き入力

どのソフトも、申告書作成の画面で「所得控除」の各項目が一覧で表示されます。ひとつずつ「自分は該当するか」を確認しながら入力するだけで、漏れが格段に減ります。


まとめ:申告前に5つの控除をチェックする習慣を

今回取り上げた5つの控除をまとめます。

控除の種類 見落としやすいポイント 必要書類
生命保険料控除 会社員時代の保険を継続中 保険料控除証明書
地震保険料控除 賃貸の家財保険の地震特約 地震保険料控除証明書
社会保険料控除 家族の国保・国民年金を自分が支払 納付書控え・控除証明書
小規模企業共済等掛金控除 iDeCoの掛金が対象と知らない 掛金払込証明書
寄附金控除 ワンストップ後に確定申告→無効 寄附金受領証明書

控除証明書は毎年10〜12月に届きます。届いた書類を捨てずにファイリングしておく習慣をつけるだけで、控除漏れの大半は防げます。

申告書の作成は、会計ソフトのウィザードに沿って進めるのが確実です。「控除の入力画面」で各項目をひとつずつ確認するだけで、今回紹介した漏れをほぼゼロにできます。

控除漏れを防ぐなら会計ソフトの申告書作成機能が一番確実です

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控除項目をウィザード形式でひとつずつ確認。マイナポータル連携で証明書データを自動取得できる。

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