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「ふるさと納税って個人事業主もできる?」——できます。でも注意点が2つあります
「フリーランスはふるさと納税できないんじゃないか」という誤解があります。
できます。ただし会社員と大きく違う点が2つあります。「ワンストップ特例」が使えないこと、そして控除上限の計算が「所得ベース」であることです。
青色申告会で17年間、年間500人以上の個人事業主の申告を見てきた経験から、ふるさと納税でありがちな「上限を超えてしまった」「申告のやり方がわからない」という失敗パターンをよく見ています。
この記事では、フリーランスがふるさと納税を正しく活用するための控除上限の計算方法と、確定申告のやり方を解説します。
フリーランスのふるさと納税:会社員との2つの違い
違い① ワンストップ特例は使えない
会社員は寄付先が5か所以内であれば、確定申告なしで控除を受けられる「ワンストップ特例」が使えます。
フリーランス(個人事業主)は使えません。
理由はシンプルで、フリーランスはそもそも確定申告が必要な立場だからです。ふるさと納税の寄附金控除は確定申告の中で申告します(出典:国税庁 No.1155「ふるさと納税(寄附金控除)」)。
ワンストップ特例の申請書をすでに自治体に送っていても、確定申告で寄附金控除を申告すれば確定申告が優先されます。慌てる必要はありません。
違い② 控除上限は「所得」ベースで変わる
会社員向けの「年収○○円 → 上限△△万円」という早見表は、個人事業主には使えません。
個人事業主の控除上限は「所得」(売上−経費−各種控除後の金額)をベースに計算します。同じ売上でも経費や青色申告特別控除の大きさによって上限が変わるため、毎年計算し直す必要があります。
フリーランスの控除上限の目安
以下は、青色申告特別控除(65万円)・国民健康保険料・国民年金・基礎控除(48万円)などを差し引いた課税所得をもとにした概算です。
| 課税所得の目安 | ふるさと納税の上限目安 |
|---|---|
| 100万円 | 約11,000円 |
| 150万円 | 約17,000円 |
| 200万円 | 約24,000円 |
| 300万円 | 約42,000円 |
| 400万円 | 約66,000円 |
| 500万円 | 約97,000円 |
※課税所得 = 売上 − 経費 − 青色申告特別控除 − 社会保険料控除 − 基礎控除 などの合計。経費が多い年は課税所得が下がり、上限も下がります。
正確な上限は前年の確定申告書の「課税所得金額」欄か、ふるさと納税ポータルサイトのシミュレーターで必ず確認してください。
また、所得が赤字(0円以下)の場合は控除上限も事実上0円です。赤字の年の寄附は節税効果がないため注意してください。
確定申告でのふるさと納税の申告方法
Step 1:寄附金受領証明書を揃える
ふるさと納税をした自治体から「寄附金受領証明書」が届きます。年末までに寄付した分すべての証明書を保管してください。ポータルサイト(楽天ふるさと納税・ふるさとチョイスなど)でまとめて発行できる場合もあります。
Step 2:確定申告書の「寄附金控除」欄に記入する
確定申告書(第一表)の「寄附金控除」欄に寄附金額の合計を記入します。控除額はソフトが自動計算します。あわせて「寄附金控除に関する明細書」の添付が必要です(出典:国税庁 No.1155)。
Step 3:帳簿の仕訳は「事業主貸」で
ふるさと納税は経費(事業の費用)ではありません。帳簿上は「事業主貸」勘定で処理するのが一般的です。freee・マネーフォワードを使っている場合は、支出の仕訳区分を「事業主貸」に設定してください。
会計ソフトがあれば確定申告書への転記も自動で対応できます。
- freee会計:寄附金の仕訳テンプレートあり。確定申告書の作成まで一気通貫
- マネーフォワードクラウド確定申告:銀行連携で寄附の支出を自動取込。仕訳もガイドあり
- やよいの青色申告オンライン:電話サポートで仕訳の相談もできる
フリーランスがやりがちな失敗3つ
失敗① 会社員向けの上限表を使ってしまった
「売上500万円だから上限10万円」と思って寄附したところ、経費・控除後の課税所得は200万円しかなく、実際の上限は2万4千円だった——という事例は現場でもよく見ました。フリーランスは必ず課税所得ベースで計算してください。
失敗② 赤字の年にふるさと納税した
赤字の年は所得税・住民税が発生しないため、寄附金控除を使っても節税効果がありません。翌年の事業見通しを確認してから寄附額を決めてください。
失敗③ 証明書を紛失した
受領証明書がないと確定申告で控除が受けられません。届いたらすぐにスキャンしてデジタル保管しておくと安心です。
まとめ
- フリーランスもふるさと納税できる。ワンストップ特例は使えないが確定申告で申告できる
- 控除上限は「売上−経費−控除後の課税所得」ベース。会社員向けの早見表は使えない
- 赤字の年は節税効果なし。課税所得が確定してから寄附額を決めるのが鉄則
- 帳簿上は「事業主貸」で処理。確定申告書の寄附金控除欄に記入する
ふるさと納税の控除額を正確に計算したい場合は、確定申告ソフトの活用が確実です。→フリーランス確定申告のやり方完全ガイドもあわせてどうぞ。
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