消費税は本則課税と簡易課税どちらが得?判断基準を解説

本則課税と簡易課税の判断軸を比較する、書類・電卓・ノートを並べたオフィスイメージ 消費税・インボイス

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この記事を書いた人: 確定申告サポート歴17年。年間500人以上の個人事業主・フリーランスの確定申告を現場で直接サポートしてきました。記帳指導・会計ソフト指導・労働保険事務・損害保険・生命保険業務を担当。

「簡易課税のほうが得って聞いたんですけど、本当ですか?」

インボイス登録をして課税事業者になった方から、相談窓口で一番多く受けた質問です。答えは「あなたの実際の課税仕入れ率がみなし仕入率より低いなら得、高いなら損」。売上と仕入の税率が同じなら、これだけです。

問題は、簡易課税には2年間やめられない縛りがあることです。選び間違えると、気づいた年に直せません。計算のしくみ・判断基準・届出期限・試算まで順番に整理します。

消費税の本則課税と簡易課税、何が違うのか(計算方法のおさらい)

消費税の納付税額は、どちらの方式でも「売上で受け取った消費税(売上税額)から、仕入や経費で支払った消費税(仕入税額控除)を引く」という形で計算します。違いは、引く側の金額の出し方だけです。

項目 本則課税(一般課税) 簡易課税
仕入税額控除の出し方 実際に支払った消費税を1件ずつ集計する(実額) 売上税額 × みなし仕入率(概算)
仕入側の帳簿・請求書 適格請求書の保存と税率区分の記帳が必要 売上の集計だけでよい(仕入側の区分は不要)
使える条件 条件なし(原則これ) 基準期間(個人は前々年)の課税売上高が5,000万円以下+事前の届出
還付 出ることがある 還付は出ない(下限は0円)

本則課税は、税込売上に110分の10(軽減税率なら108分の8、引下げ後の飲食料品1%なら101分の1)を掛けて売上税額を算出し、仕入税額控除は適格請求書に書かれた消費税額を積み上げて計算します(国税庁タックスアンサーNo.6351)。本記事の試算は、地方消費税まで含めた手取りへの影響を見るため、この簡便計算で消費税額を示します。

簡易課税は、この仕入側の作業を全部省略します。業種ごとの「みなし仕入率」を売上税額に掛けた金額を、そのまま仕入税額控除にしてよい制度です。実際にいくら払ったかは一切見ません。

判断の軸はこれ1本
実際の課税仕入れ率 < みなし仕入率 → 簡易課税が得
実際の課税仕入れ率 > みなし仕入率 → 本則課税が得
※実際の課税仕入れ率=課税仕入れ(税込)÷ 課税売上(税込)
※この軸が使えるのは、売上と仕入の税率が同じ場合です。後述の飲食料品1%のように複数税率が混在するときは、比率だけでは判断できません。税率ごとに税額を出して合計を比べてください。

その前に確認:2割特例・3割特例が使えないか

インボイス登録をきっかけに課税事業者になった方は、本則か簡易かを考える前に、もっと有利な選択肢が残っていないかを先に見てください。2割特例(売上税額の2割だけ納める措置)は令和8年9月30日が属する課税期間まで。個人事業者なら令和8年分(2026年分)が最後です。その後は個人事業者限定で「3割特例」があります。

3割特例は、令和9年分・令和10年分の消費税の確定申告で納付税額を売上税額の30%にできる特例です。みなし仕入率に換算すると70%相当。2割特例(20%納付=80%相当)より負担は増えますが、事前の届出は不要で、確定申告書で選択します。

3割特例の主な要件は、①個人事業者であること ②基準期間(適用を受ける年の2年前)の課税売上高が1,000万円以下であること ③インボイス発行事業者の登録を受けていること、の3つです(国税庁 令和8年度税制改正特集)。法人は使えません。

70%相当は、後で出てくる第5種サービス業の50%、第4種飲食店業の60%より高い水準です。フリーランスの大多数にとって、3割特例が使える年はそれが有利になりやすいですが、絶対ではありません。設備投資をした年や、後述する飲食料品を1%で仕入れて10%の経費を払う事業者のように還付が見込めるケースでは、3割特例が使える年でも本則課税のほうが有利になります。3割特例が使えない年・使えない人(法人、課税売上高1,000万円超、課税期間を短縮している人など)はもちろん、使える年でも一度は本則・簡易と比較してください。インボイス登録そのものの判断で迷っている方は、インボイス制度とは?フリーランスが今すぐやることとフリーランスの消費税 免税と課税どっちが得?を先に読んでください。

簡易課税が向いている人の特徴(みなし仕入率・業種区分)

みなし仕入率は事業区分ごとに6段階に分かれています。

事業区分 みなし仕入率 主な業種
第1種 90% 卸売業(仕入れた商品を性質・形状を変えずに事業者へ販売)
第2種 80% 小売業、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業)
第3種 70% 建設業、製造業、鉱業、電気・ガス・水道業など
第4種 60% 飲食店業ほか(第1〜3種・第5〜6種に該当しない事業)
第5種 50% 運輸通信業、金融・保険業、サービス業(飲食店業を除く)
第6種 40% 不動産業

出典:国税庁タックスアンサーNo.6509(令和8年4月1日現在法令等)

ライター・デザイナー・エンジニア・コンサルタント・士業などは第5種(50%)に入ります。ここで見落としやすいのが、人件費は課税仕入れに入らないという点です。従業員の給与、青色事業専従者給与、社会保険料は消費税のかからない支出なので、仕入税額控除の対象になりません。課税仕入れになるのは外注費・通信費・事業用家賃・備品代などに限られます。

窓口で試算すると、1人で動いているフリーランスの課税仕入れ率は20〜30%台に落ち着くことが多かったです。みなし仕入率50%には届きません。だから簡易課税が有利になります。向いているのは次のような方です。

  • 外注をほとんど使わず、自分の時間で売上を作っている(第5種で課税仕入れ率が50%未満)
  • 人件費・専従者給与の比率が高い(支出は多いが課税仕入れにならない)
  • 仕入側の請求書を1件ずつ区分して記帳する手間を削りたい
  • 大きな設備投資の予定が、今後2年間ない

最後の1つが、実は一番重要です。

よくあるケース:2年縛りで納付を減らす機会を逃す

たとえば、こんなパターンがあります。第5種のフリーランスが簡易課税を選び、1年目は読みどおり納税額が抑えられました。ところが2年目に、業務拡大で330万円(税込)の車両と機材を購入します。ほかに通常の課税仕入れ110万円(税込)があり、合計440万円(税込)=消費税40万円です。

この年、本則課税なら仕入税額控除は40万円。売上税額50万円から引いて納付10万円です。しかし簡易課税のままなので、50万円 × (1 − 50%)= 25万円。差額15万円を余分に払います。

簡易課税は、適用を受け始めた課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、やめる届出を出せません(国税庁タックスアンサーNo.6505)。「設備を買うことになったから本則に戻します」が、その年にはできないわけです。

窓口で扱った消費税の相談で金額の影響が大きかったのは、この「本則・簡易の選択間違い」でした。選び間違えたこと自体より、縛りがあるせいで気づいた年に直せないことが痛い。これが現場の実感です。

本則課税が向いている人の特徴(仕入が多い・設備投資した年)

本則課税を選ぶべきなのは、実際の課税仕入れ率がみなし仕入率を上回る事業です。

  • 商品や材料の仕入れが売上に対して大きい(物販・飲食・建設など)
  • 外注費の比率が高い(制作を外部パートナーに回しているケース)
  • その年に大きな設備投資をする(車両・機材・内装工事・不動産取得)
  • 売上の税率より仕入の税率が高い(後述の飲食料品1%が典型)
  • 開業初年度で、売上より投資が先に立つ

還付が受けられるのは本則課税だけです。簡易課税は売上税額に一定率を掛ける構造なので、計算結果がマイナスになりません。設備投資の年に還付を狙うなら本則課税が必要です。

よくあるケース:経費が多いつもりで本則を続けて損をする

逆方向の失敗も同じくらい見てきました。「うちは経費が多いから本則のほうが得」と考えて、届出を出さずに本則課税で申告し続けるパターンです。

たとえば、売上550万円(税込)の第5種のフリーランス。確定申告書上の経費は280万円で所得は270万円、本人の感覚では「経費率5割超」です。ところが内訳は専従者給与120万円と減価償却費50万円で170万円を占め、消費税の課税仕入れになるのは外注費・通信費・消耗品費など110万円(税込)だけでした。

実際の課税仕入れ率は110万円 ÷ 550万円 = 20%。みなし仕入率50%の半分以下です。本則課税なら納付40万円、簡易課税なら25万円。届出を1枚出していなかったために、15万円多く納めていたことになります。

「経費が多い」という体感は所得税の話で、消費税の課税仕入れとは別物です。判断するときは、必ず課税仕入れだけを抜き出して売上と比べてください。

【今回の税制改正との接点】飲食料品1%で本則課税が有利になる事業者

⚠️ 【未確定情報】
2026年9月15日の臨時閣議で「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」が決定され、軽減税率対象の飲食料品の消費税率を2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、8%から1%へ引き下げる方針が示されました。関連法律案は2026年10月9日に閣議決定され、臨時国会に提出されましたが、本記事執筆時点(2026年10月)では成立していません。最新情報は必ず国税庁ウェブサイトでご確認ください。

この改正が通ると、本則か簡易かの損得が業種によって動きます。簡易課税にも「計算方法の特例」が設けられる予定で、業種区分にかかわらず、飲食料品の譲渡(1%対象)に係る売上税額と同額の仕入税額を計上することになります(2割特例・3割特例を適用する場合も同様/国税庁「飲食料品に係る2年間の消費税率引下げに関するQ&A」問3-6・PDF)。つまり飲食料品部分の納付税額は実質ゼロになります。

ただし簡易課税では還付が1円も出ません。10%のままの仕入・経費が大きい事業者は、本則課税のほうが有利になります。逆に飲食料品を1%で売っていない事業者(イートイン中心の飲食店など)は、簡易課税の納付税額は動きません。

売上が1%になる事業者(食品小売・テイクアウト)は本則課税が有利になりやすい

飲食料品を1%で販売する事業者は、売上税額が一気に小さくなります。一方で包装資材・水道光熱費・店舗家賃・設備は10%のまま。引く側が大きくなり、還付が出る可能性が生まれます。食品小売店(第2種)で試算します。

項目 金額(税込) 消費税額
売上(飲食料品・税率1%) 505万円 5万円
商品仕入(飲食料品・税率1%) 303万円 3万円
包装資材・光熱費・家賃(税率10%) 110万円 10万円
  • 本則課税:5万円 − 13万円 = △8万円(8万円の還付)
  • 簡易課税(計算特例を適用):飲食料品の売上税額5万円と同額の仕入税額5万円を計上 → 納付0円

差は8万円です。簡易課税なら飲食料品部分の納付はゼロになりますが、そこが下限で、還付は1円も出ません。3割特例を適用する場合も同じ計算特例が入る予定なので、この例では納付0円です。仕入・経費で払った13万円(うち10%分が10万円)のうち、売上税額5万円を超える8万円分の還付を受け取りたいなら、本則課税しかありません。この例のように仕入・経費に占める10%取引の割合が大きく、全体として控除対象の仕入税額が売上税額を上回る事業者は、3割特例が使える年であっても本則課税を検討する価値があります。

なお事業区分の当てはめにも注意が必要です。仕入れた飲食料品をそのまま販売するなら第2種(80%)ですが、自分で調理した弁当・惣菜を販売するテイクアウト店は「製造小売業」として第3種(70%)に該当します。計算特例は業種区分にかかわらず適用されるため、この例ではどちらでも簡易課税側は0円で、本則課税が有利という向きも変わりません。

還付申告をする場合は、仕入側の請求書・領収書を揃えておいてください。還付申告は税務署から内容の確認を受けやすく、仕入税額控除には原則として帳簿と適格請求書の保存が必要です。ただし帳簿のみで控除できるものや、免税事業者等からの仕入れについて一定割合を控除できる経過措置など、いくつかの特例があります。自分の取引が該当するか分からない場合は、税務署か税理士に確認してください。

売上が10%のまま・食材仕入が1%になる事業者(イートイン飲食店)は簡易課税が有利になりやすい

一方、店内飲食(外食)の売上は10%のまま据え置かれます。食材の仕入だけが1%に下がるので、本則課税だと引ける金額が減り、納付税額は増えます。飲食店(第4種・みなし仕入率60%)で、売上550万円(税込・税率10%)、食材仕入202万円(税込)、家賃・光熱費110万円(税込・税率10%)のケースを比べます。

申告方式 改正前(食材8%) 改正後(食材1%)
本則課税 約25万円 約38万円
簡易課税(第4種60%) 20万円 20万円(変わらず)

改正前の差は5万円ほどですが、改正後は18万円に開きます。イートイン中心の飲食店は、簡易課税の優位が広がる側です。

「食品を扱っているから本則が有利」ではありません。売上の税率が下がる側なのか、仕入の税率が下がる側なのかで逆になります。自分の店がどちらかを、売上構成から確認してください。
→ 食品の消費税1%減税|2027年4月・課税事業者の準備

本則課税と簡易課税を選ぶときの注意点(届出期限・2年継続適用)

制度のしくみを理解しても、届出が間に合わなければ選べません。ここが一番の落とし穴です。

簡易課税は「前年12月31日まで」に届出が必要

「消費税簡易課税制度選択届出書」は、適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに提出します。個人事業者の課税期間は1月1日〜12月31日なので、2027年分から簡易課税にしたいなら2026年12月31日までが期限です(国税庁タックスアンサーNo.6505)。

窓口で繰り返し見たのが「確定申告のときに一緒に出せばいい」という誤解です。消費税の申告期限は翌年3月31日ですが、届出は申告とセットではありません。申告書を書く段階では、その年の方式はもう決まっています。

ただし、2割特例・3割特例を適用した課税期間の翌課税期間については、提出期限の特例があります。原則の「前日まで」より後に出しても、その課税期間から簡易課税を適用できるしくみです(国税庁 令和8年度税制改正特集)。該当する年は、提出期限を必ず税務署で確認してください。開業した年についても別の取扱いがあるため、同様に確認が必要です。

いったん選ぶと2年間はやめられない

簡易課税は、事業を廃止した場合を除き、効力が生じる課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出できません。本則課税に戻すときも、戻したい課税期間の初日の前日までに不適用届出書が必要です。

判断は向こう2年分の見通しで行います。来年と再来年に設備投資・大型外注・店舗改装の予定があるなら、簡易課税を選ぶ前に試算してください。

⚠️ 【未確定情報】飲食料品を売る人だけ、この2年縛りに例外ができる予定
飲食料品の譲渡を行う簡易課税事業者は、令和9年4月1日の属する課税期間については2年間の継続適用要件が適用されない特例が設けられる予定です。その課税期間中に「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」(「参考事項」欄に「飲食料品特例」と記載)を提出すれば、その課税期間から一般課税(本則課税)で申告できます。ただし対象は飲食料品の譲渡を行う事業者に限られ、令和9年4月1日の属する課税期間だけです。記事前半で挙げた車両購入の例のような第5種のフリーランスは対象外で、2年縛りはそのままです。関連法律案は2026年10月9日に閣議決定され国会提出済みですが、本記事執筆時点では成立していないため、根拠は国税庁Q&A問3-5(PDF)です。最新情報は国税庁・消費税率引下げ特設サイトでご確認ください。

高額な資産を本則課税で買った年は、逆方向の縛りがかかる

本則課税の期間中に税抜1,000万円以上の棚卸資産や調整対象固定資産(高額特定資産)を取得すると、取得日の属する課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間の初日の前日までは、簡易課税制度選択届出書を提出できません(国税庁タックスアンサーNo.6502)。簡易課税の2年縛りとは別のルールです。売上数百万円規模で該当することは少ないものの、不動産や高額設備を買う年は確認してください。

この届出期限まわりの失敗例は、消費税課税事業者の落とし穴|簡易課税と建物売却でも扱っています。

具体例で比較|売上550万円のフリーランスはどちらが得か

第5種(サービス業・みなし仕入率50%)のフリーランスで、税込売上550万円のケースを3パターンで計算します。売上税額は550万円 × 10 ÷ 110 = 50万円で共通です。

ケースA:設備投資なし(課税仕入れ110万円・税込)

申告方式 計算 納付税額
本則課税 50万円 − 10万円 40万円
簡易課税(第5種50%) 50万円 × (1 − 50%) 25万円
(参考)3割特例が使える年 50万円 × 30% 15万円

実際の課税仕入れ率は110万円 ÷ 550万円 = 20%。みなし仕入率50%を大きく下回るので簡易課税が15万円有利です。ただし3割特例が使える令和9年分・令和10年分なら、そちらがさらに10万円有利になります。

ケースB:同じ年に330万円(税込)の設備投資をした

数字は先ほどの2年縛りの例と同じです。課税仕入れが440万円(税込)=消費税40万円になり、本則課税10万円・簡易課税25万円。課税仕入れ率が80%に跳ね上がるため、本則課税が15万円有利に逆転します。この年だけ本則に戻せれば得ですが、2年縛りに入っていると戻せません。

設備投資がなくても、外注費が売上の6割を占めるようなケース(課税仕入れ330万円=消費税30万円)なら本則課税20万円・簡易課税25万円で、同じ理屈で本則が有利です。差が5万円程度なら、帳簿作業の手間と見比べる判断になります。

売上と仕入れがほぼ同じ税率のフリーランスなら、計算に必要なのは「税込売上」と「課税仕入れだけを抜き出した合計」の2つだけです。年末に一度集計すれば、来年どちらを選ぶかは自分で判断できます(飲食料品のように複数税率が混在する場合は、前述のとおり税率ごとに税額を出して比べてください)。ただし手作業だと課税・非課税・不課税の判定が混ざって精度が落ちます。クラウド会計ソフトなら取引ごとの税区分を保持したまま課税仕入れだけを集計でき、本則・簡易の両方で試算できます。

▼ 本則・簡易の試算が自分でできるクラウド会計ソフト

税区分つきで記帳できるので、課税仕入れだけを抜き出した集計と消費税申告書の作成がそのまま進みます。

まとめ:消費税申告の準備チェックリスト

「消費税の申告準備は何から手をつけるか」を、順番どおりに並べます。

  1. 12月中旬:税込売上と課税仕入れを集計する
    課税仕入れから人件費・専従者給与・社会保険料・減価償却費を除く。所得税の経費額とは別物です。
  2. 12月中旬:課税仕入れ率を出してみなし仕入率と比べる
    課税仕入れ(税込)÷ 課税売上(税込)。第5種なら50%が分岐点。
  3. 12月中旬:来年・再来年の設備投資予定を書き出す
    簡易課税は2年間やめられないため、2年分の見通しで判断する。飲食料品を扱う事業者は、令和9年4月1日の属する課税期間だけ例外(2年縛りなしで本則に戻せる予定)がある。
  4. 12月中旬:2割特例・3割特例が使える年かを確認する
    個人事業者・基準期間の課税売上高1,000万円以下・インボイス登録済みなど主な要件を満たし、適用除外に該当しなければ、令和9年分と令和10年分は3割特例(売上税額の30%)が使えます。3割特例は確定申告書で選択するため、事前の届出は不要です。
  5. 12月31日まで:届出書を提出する
    簡易課税にする → 簡易課税制度選択届出書/本則に戻す → 簡易課税制度選択不適用届出書。期限はどちらも適用したい課税期間の初日の前日(特例に該当する場合は税務署で確認)。
  6. 翌年3月31日まで:消費税の確定申告と納付
    所得税の3月15日とは期限が違う。
  7. 税理士に相談するなら11〜12月
    確定申告期(2〜3月)に相談しても、方式はもう変えられない。

消費税で損をしている方のほとんどは、制度を知らなかったのではなく判断する時期を逃していました。年内にやるべきことは、売上と課税仕入れの集計と届出書1枚の提出だけ。来年分(2027年分)から方式を変える場合、原則の届出期限は今年の12月31日です。

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